忘れちゃいけない苦い味

一度経験しても2度目はダメです。


最近職場での取引のある下請会社さんが業務破綻してしまい、こちらがその業者さんに支払うべき代金をすべて税務署に差し押さえられてしまいました。その業者さんにはまだ第二、第三の下請業者がおり、結果的にはそこの下請さんにもお金が入らなくなってしまうのです。
詳しい税務の事はよく分りませんが、どうやらもう少しこちらで一ひねりすれば、第二、第三の下請さんにはこちらから業務代金はいくらか支払うことが出来たようです。大変申し訳ないことをしたと、私の上司もめずらしく落ち込んでました。
世の中景気回復の兆しなどと言ってますが、私の働く会社の職種はどこに回復の兆しが?と言っていいくらい仕事がありません。どうにか方向転換をして生き残っている会社もいますが、バブルの恩恵を受けた中堅層よりやや上の層はまたあの夢のような時代が来るのでは?と思っているのも事実です。
私の会社(派遣先ですが)も数年前に更生法になった会社です。あの時やはり今回の会社さん同様に下請けさんに支払えない金額といったら馬鹿になりません。芋づる式で破産してしまった会社もありますし、追い込まれて自殺してしまった業者さんもいます。あの時どれだけ頭を下げて歩いたことでしょうか。どれだけ世間の目から冷たい視線を受けたことでしょうか。あの時にもう一度再建を図り、やり直そうと思った気持ちはどこへ行ってしまったのでしょうか?
全国規模の会社かもしれませんし、地元の会社よりは仕事もあるかもしれません。だけど、もう一度身を引き締めないと本当にどうなるかわからないのです。仕事が一番出来る層はどんどん仕事のあるところへ転勤(東京、名古屋など)させられ、残るのは年寄り(失礼!)ばかり。どうせ自分は後数年で退職だから。なんぞと思っているのかどうかは分りませんが、自分らの下には何百人もの職人さんがいることを忘れてほしくないのです。
正直なところ、この業界はもうどうにもならないのも事実。この東北に至ってはちょっと同じ職種の人間が飽和状態になっていると言っても間違いはないでしょう。
地域を活性させる為には、思い切って、私のような会社は地方撤退をしても仕方ないと思うのです。本来なら地元の人間だけじゃ技術や知識が足りないから、手助けをする意味でもゼネコンが存在すると思っています。地域の人間を守るためにも、潰れちゃいけないのです。高度成長期より数十年いつのまにか体質が変わってきたように思えますし、日本の従来の建設業に対しての見方も変えなくてはいけないように思います。
おっと、ずいぶん身の丈を超えた話になってしまいましたが、詰まるところ、今回のような身近なところで破綻してしまった会社があるということで、もう一度危機感を持って仕事して欲しいのです。どうすれば危機感が持てる?という話ですが、1日や2日で身につくものでもありません。
業務上、経理という職種のため、多少シビア目線かもしれませんが、それくらいしてもまだまだ足りないのです。ま、人の心配する前に自分の心配しろと言われそうですね。まさにその通り。いち派遣社員なんて抹殺でしょう。ま、それもアリか。ここにしがみつく気は到底ないですからね。でも、もう正社員で働いて時代と同じだけこの会社にもお世話になっているので、ふと思うのです。もっと、頑張って欲しいな。
と。ただそれだけです。