鎌倉のおばあちゃん

個人的な思い出話ですので、気にしないでください。


幼少の頃毎年のように夏休みの時期になると、鎌倉へ遊びに行ってました。鎌倉には私の母の仲のいい元同僚が住んでいて、4歳か5歳の頃から一人で1週間から10日ほどそこの家にお世話になってました。何故一人かというと、当時は人見知りをしない子だったらしく、当時母の実家に遊びに来ていた母の同僚が、「おばちゃんの家にも○○ちゃんと同じくらいの娘がいるんだけど、遊びにおいで」という言葉をそのまま鵜呑みにし、その場でついて行ったそうな。その頃はまだ3歳かそこらだったので、一人のこのこついていき、行ったらそこでホームシックになって泣くんじゃないかと、それはまぁ母や祖父は心配したそうな。そんな心配なんぞ知るわけもなくずいぶんそこではかわいがられ、調子に乗って、何日も滞在することに。何でそんなにその場所を気に入って、何日も一人で寂しくなることなくいられたかというと、そこにはおばあちゃんがいました。
母方の祖母は私が3歳くらいの時に亡くなり、父方の祖母は子供の頃の記憶では厳格な祖母だったと思います。なので、両親の実家に帰って、普段とは違う日常を満喫する。という行為がなかったので、この鎌倉の家は第二の故郷的な居心地の良さがあったのかもしれません。夏休みになると必ずそこへ宿題持参でそこへ行き、朝はそこの地元の小学生にまじり、ラジオ体操をし、その帰りにウサギ小屋でウサギに餌をあげ、そして朝ご飯。昼は由比ガ浜だか江ノ島だか湘南だかは覚えてませんが、毎日海水浴をし、真っ黒に。そこで知らぬ間にクラゲに刺されたこともありました。近所のパン屋さんが美味しくて、いつもそこのパンをお昼に買ったり、全部それは、そこの母の友達の娘とそのおばあちゃんと3人で毎日を過ごしていました。たぶんそれは小学校4年か5年まで続いたんだと思います。
何故今ごろそんな話を思い出したかというと、つい先日母と会話している時に、「鎌倉のおばあちゃんがもし亡くなったら、あんたを連れていかないとね」という話をしていたんです。そのまま数日が経ち、つい2日ほど前に、母にショックな話があってといわれ、何かと訪ねると、なんと鎌倉のおばあちゃんは昨年の暮れに亡くなっていたそうです。丁度その頃といえば、母も瀕死の状態で入院してた頃、一度留守電にその元同僚から連絡は来ていたのですが、連絡を返す余裕もなく今に至ってしまいました。もう何十年も会っていないのに、とても寂しい気持ちになりました。本来なら今年のお盆の時期にでも母を連れて鎌倉へお線香をあげに行きたいところですが、急な話でもあるし、母の体調を考えるとこの暑い時期、しかも仙台の暑さとは比べ物にならないくらいあちらは暑いので、とりあえず香典だけでもということになりました。
そんな話をしていたので、ふと鎌倉のおばあちゃんとの思い出に浸っておりました。もう何年も行っていない鎌倉、近いうちお墓参りを兼ねて訪れたいと思います。